状況について

岡山にお住まいのご相談者は、高校までは普通に生活していました。卒業後、仕事をしていましたが同僚と喧嘩して１年余りで退職。それ以降は職に就いても長続きせず、コンビニバイトをハシゴするなどして生活をされていました。併せて、交際中の彼氏からのDVを機に不眠、食欲不振、抑うつ気分等の症状が表れ、精神科を受診。うつ病と診断され、服薬治療を開始しましたが、症状は一進一退でした。その後、地元に戻って結婚。共働きをしましたが、抑うつ気分や不安感で職場でも涙ぐんだり、嘔気で持ち場を離れたりなど就労が難しい状況が続き、希死念慮が高まって入院したこともありました。入院時の検査でADHDも指摘されました。

就労による収入が不安定で困っていたところ、障害年金の制度を知り、検討してみることになりました。

手続きに向けて

インターネットの検索で、障害年金フルサポートセンターをお知りになられ、お電話を頂きました。話を伺ったところ、転院はあるものの１０年以上受診を継続していて、ずっとうつ病と言われて服薬を続けていたが、２年ほど前に入院した際の検査で初めてADHDとの診断が出たとのことでした。先生からは、「元来の発達の凹凸によって適切な判断能力が欠けていたことで自尊心が傷つけられ、その結果、うつ病を発症したと考えられる」とのお話があったそうです。

私の方で診断書を取り寄せると、傷病名は「うつ病、発達障害」と２つの傷病名が併記されており、診断書全体の内容はうつ病を主とした記載になっていました。

前発傷病が「うつ病」で後発傷病が「発達障害」の場合、障害年金の認定においては、後述のように「診断名の変更」と取り扱われます。しかし、診断書もうつ病が主と捉えていますし、自覚症状も発達障害で困っているというよりもうつ病で困っている症状がほとんどなので、うつ病による困りごとを病歴・就労状況等申立書に記載しました。ただし、発達障害は通常２０歳前に発症するものと扱われることから、病歴・就労状況等申立書は出生時から順を追って作成しました。そして診断書の記載どおりに２０歳代後半事後重症による請求を行いました。

結果につうて

無事に事後重症による障害厚生年金２級が決定しました。