障害年金の障害程度の認定には、「永久認定」と「有期認定」の2種類があります。
永久認定
手足を失うなどの欠損障害のようにこれ以上軽傷に変わることがない場合、一度、障害等級が決定すると変更されることはありません。これを「永久認定」といいます。しかし、精神障害や体の内部障害のように障害の程度が変わることがある場合は、永久認定にはなりません。なお、永久認定では等級も変わらないため、障害の症状が重くなった場合は「額改定請求」の手続きを行い等級を上げることができます。
有期認定
精神障害や内部疾患のように、障害状態が変わることがある障害の場合は「有期認定」となります。有期認定となった場合は1〜5年に一度、更新手続きが必要です。更新期間は傷病ごとに決められているわけではなく、それぞれの障害の状態に応じて認定医が決定しています。更新の時期が近づくと、年金証書に記載されている診断書の指定月の3ヶ月前に障害状態確認届(診断書)が自宅に届きます。引き続き障害年金の受給を希望する場合は、障害状態確認届を医師に記載してもらい、提出期限内に提出することが必要です。
障害年金の更新について
有期認定の場合、定期的に更新を行う必要があります。
ここからは、障害年金の更新について詳しく解説します。
更新時期
更新の期間は明確に決まっているわけではなく、障害の種類や状態によって1〜5年の間に更新の時期がきます。ただし、人工透析については合併症がなく、症状が安定している場合は原則として5年ごとの更新に統一されています。また、70歳以上で人工透析を継続している方については、永久認定とされます。
更新に必要な書類
障害年金の更新の際に必要な書類は原則として、「障害状態確認届」のみです。障害状態確認届は、更新年の誕生月の3ヶ月前の月末頃にご自宅に届きます。障害状態確認届の内容は、初回の障害申請時に提出した診断書とだいたい同じ内容となっています。更新の際は障害状態確認届を医師に作成してもらい、提出期限内に提出が必要です。なお、障害状態確認届の提出期限は、指定された年月の末日までとなっています。
更新の流れ
障害年金の更新の主な流れは下記のとおりです。
1.障害状態確認届が到着
更新する年の誕生月の3ヶ月前の月末頃に、日本年金機構より障害状態確認届(診断書)が送付されます。
2.診断書を作成
医師と相談しながら、適切な診断書を作成してもらいます。
3.該当する提出先に期日内に提出
診断書は誕生月の末日までに提出が必要です。
また、障害年金の種類によって、提出先が異なります。
- 障害基礎年金→市区町村村役場の国民年金課
- 障害厚生年金→日本年金機構
4.提出後約3ヶ月で結果が到着
更新の結果は、提出月の約3ヶ月後に文書またはハガキで通知が届きます。
- 等級に変更がない場合→「次回診断書提出年月のお知らせ」というハガキが届きます
- 障害等級が変わる場合→「支給額変更通知書」が届きます
- 支給停止の場合→「支給停止のお知らせ」が届きます
更新時の注意点
障害年金の更新審査は診断書のみで審査されるため、診断書の記載内容が非常に重要です。そのため、提出前は医師に作成してもらった診断書を必ずチェックして、伝えた内容と少しでも違う事柄がある場合は、医師に訂正や加筆を依頼するようにしましょう。特に、前回と診断書を作成したもらった医師が異なる場合は注意が必要です。これは医師によって診断基準が異なるため、症状の書き方が変わってしまう可能性があるためです。また、障害状態確認届が期限内に提出ができなかった場合、障害年金の支払いが一時止まる(差し止め)ことがあります。もし、差し止めとなった場合でも、期限後に診断書を提出すれば年金額が差し止められた月にさかのぼって支給が再開されます。差し止めにならないためにも、障害状態確認届が届いたら、すみやかに診断書の作成を依頼して余裕を持って更新手続きをすることが大切です。