障害年金の請求で必要な要件として保険料の納付要件があります。これは原則として、初診日があった月の前々月までに「公的年金制度に加入すべき全期間のうち、3分の2以上の期間で年金保険料を納付していること」を条件とするものです。たとえば初診日が10月1日だとしたら、10月の前々月として8月までに納めた年金保険料が「納付要件」の対象とされます。ちなみに年金保険料について、様々な状況・条件に応じて減免・免除が行われる制度があります。この免除期間も納付済みと同様に扱われますが、「初診の前日までに免除申請している」ことが必要です。初診日以降に免除申請をした期間は、「初診日の前日の時点では未納だった」とみなされます。もしこの3分の2要件を満たさなかった場合の納付要件の2つ目が「直近1年要件」です。先に説明した「3分の2要件」を満たしていない場合、障害年金を受け取ることができないことになってしまいます。実は過去において、そのような人を救済するための特例措置が行われたことがありました。例えば過去の未納10年間分について後納する特例(平成24年〔2012年〕10月1日から平成27年〔2015年〕9月30日まで)、同じく5年間分について後納する特例(平成27年〔2015年〕10月1日から平成30年〔2018年〕9月30日まで)がありましたが、これらはすでに終了しています。このため、令和元年(2019年)現在は、直近2年間の未払い分のみしか対応できない状況となっています。また、何度も解説しているように初診日以降に未納分を納付しても、障害年金の制度上、納付要件を満たしません。そこで登場するのが先に触れた「直近1年要件」という制度です。直近1年要件」とは、令和8年(2026年)3月31日までの特例として、平成3年(1991)5月1日以降に初診があるときのみ、初診日の属する月の前々月からさかのぼった1年間が未納(いわゆる滞納)なしの状態であれば障害年金の申請が可能になる制度です。たとえば初診日が令和元年(2019年)10月1日ならば、前年の平成30年(2018年)の8月から1年間、年金保険料の未納がないことが条件となります。以前に実施された後納を可能にする制度とは異なりますが、救済措置の1つとして実施されています。もし「3分の2要件」を満たしていない場合でも、この制度によって障害年金の給付条件をクリアできる可能性がありますので、直近の納付状況を正確にご確認する必要があります。障害年金フルサポートセンターでは年金保険料の納付状況もご相談者の代理で確認させて頂いております。もちろん確認も含めてご相談に関することは全て無料となっておりますので、ご安心してお気軽にご相談下さい。