岡山市にお住まいのご相談社労士は、10代の頃から双極性感情障害を患っておられました。10代の頃に掛かった唯一の精神科であるクリニックに初診証明を依頼しようとしたところ、廃院になっていることがわかり、どうすればよいかわからなくなって困っておられました。
手続きに向けて
ご相談者は、子供の頃から人付き合いが苦手で、ずっと生きづらさを感じて来られたそうです。家庭の事情で、アルバイトをしながら定時制高校へ通っていた18歳の頃に、うつ症状を自覚して近くの精神科クリニックを受診しました。症状に改善が見られないため、20歳を超えてからいくつかのクリニックを転々とし、30歳を超えてから転医した大学病院の精神科で初めて双極性障害と診断されました。その後も転医を繰り返しましたが、症状は改善しないままでした。
受任してから申請までに行ったこと
調べたところ初診のクリニックは、ずいぶん前に廃院となっていましたので、証明できるものは何もありませんでした。その後は短いスパンで複数回転医を繰り返し、30代半ばから大きな大学病院の精神科へ通院するようになりました。
大学病院へ至るまでの通院先はいずれもカルテなどがすでに破棄されており、残されていた一番古い記録が、初診から約20年後に受診した大学病院のカルテでした。
その大学病院で受診状況等証明書(初診証明)を作成してもらったところ、内容の一部に「18歳の時に〇〇クリニックを受診」との記載がありました。
原則として、初診日は一番最初に掛かった医療機関のカルテか、もしくはそれに代わる客観的証拠に基づいて証明することとされており、何も証明できるものがなければ、残念ながら障害年金は受給できません。しかしながら初診日が年金加入前である20歳前であれば、20歳までに受診したことがわかれば、何とか大丈夫な場合もあります。
結果
無事に初診日が認められ、障害基礎年金2級に決まりました。