統合失調症は、幻覚・妄想・思考障害などを伴う重度の精神疾患です。症状の程度によっては、障害年金の対象となり、経済的な支援を受けることが可能です。
今回は、徳島市・鳴門市エリアで統合失調症による障害年金の受給をご検討している方へ、申請時の重要なポイントを、他の精神疾患(うつ病や双極性障害)との違いを踏まえて分かりやすく解説します。
1.統合失調症とは?他の精神疾患との違い
統合失調症は、現実と非現実の区別がつきにくくなる病気で、妄想・幻聴・まとまりのない思考などが特徴です。
以下は、他の代表的な精神疾患との違いです:
◾️統合失調症
妄想・幻聴・思考障害・認知機能の低下
意思疎通や日常生活全般への支障が大きい
◾️うつ病
気分の落ち込み・無気力
気分障害による日常生活制限
◾️双極性障害
躁状態と抑うつ状態を繰り返す
状態の波が激しいが、寛解もある
→ 統合失調症は長期的・慢性的な障害となるケースが多く、障害等級が2級以上になりやすい傾向があります。
2.徳島市、鳴門市での統合失調症における障害年金申請の条件
統合失調症で障害年金を受けるには、主に以下の条件を満たす必要があります:
• 初診日が特定できること(精神科や心療内科)
• 初診日の時点で年金保険料の納付要件を満たしていること
• 現在も治療中で症状が継続していること
• 日常生活に著しい制限があること
3.診断書で重要なポイント
統合失調症の診断書は、うつ病などその他の疾患と同じ診断書を利用しますが、特に「認知機能」「対人関係」「行動面」の記載が重要です。
具体的には:
• 妄想・幻覚が日常的にあるか
• 指示が理解できるか、身だしなみが整えられるか
• 他者との意思疎通ができるか
→ これらが「できない」「援助が必要」と記載されていれば、2級以上の可能性が高まります。
4.よくある申請のつまずきと対策
■ 医師に年金申請を伝えていなかった
→ 医師に「障害年金用の診断書」を書いてもらうことが大切です。
■ 初診の病院が閉院していた
→ 他の証拠(紹介状・お薬手帳・レセプト)で証明可能。社労士に相談を。
■ 家族がサポートしていて本人の生活が伝わらない
→ 生活状況申立書で援助の具体例をしっかり記載しましょう。
5.徳島県内で申請する場合の留意点
• 障害年金の審査は書面のみで判断されることになります。整合性をとって、不備なく必要書類を準備することが大切です。
・統合失調症は客観的に症状を説明するのが難しい障害であり、診断書や申立書の書き方ひとつで結果が大きく変わることがあります。
6.徳島における請求事例(統合失調症)
状況について
徳島市にお住まいのご相談者は、数年前に現在の住まいへ引っ越しされてから、ご近所で自分の噂話をされていると感じるようになったそうです。
家の中にいながら、誰もいない壁に向かって隣の家の人と会話をしている様子の妻をみて、ご主人が精神科へ連れていかれました。
しかしその後は、病識が薄いためか医師と合わずに何度も転医を繰り返し、一家心中をしようと言い出すようになったため、精神病院へ緊急入院させられました。
現在は、幻聴などの陽性症状は落ち着いていましたが、陰性症状が強く出ており、毎日何もできずに家で横になっているとのことでした。
手続きに向けて
診断書を主治医へ依頼していただく際は、今までの経緯や日常生活の状況などについてご主人へヒアリングし、参考資料としてまとめたものを受診時にお渡しいただいたところ、実態に即した正しい内容でお書きいただけました。病歴就労状況等申立書も、出来上がった診断書に基づいて整合性を取って作成しました。
結果について
無事、障害基礎年金2級に決まり、障害認定日までの遡りも認められました。